長崎県がIR(統合型リゾート)の立地先を検討する際、佐世保市にあるテーマパーク「ハウステンボス」に決定したのは、それから間もなくのことだった。
しかし、地球の裏側の日本ではなく、オランダの奥地にあるようなイメージのこのテーマパークのオーナーが、この土地の売却を考えている可能性が出てきた。
共同通信によると、日本の旅行会社H.I.S.が、同パークの買い手を探しているという。まだ続いているCOVID-19の大流行が旅行制限を生み、同社の財務的健全性を弱めている。そのため、同施設の売却は体力をつけるための重要な手段かもしれない。
長崎県は、カジノ運営会社のカジノス・オーストリアと共同で、テーマパークのすぐ西側、76エーカーの敷地にIRを建てることを構想している。長崎県は、4月にカジノ施設の誘致案を提示した大阪府と2つしかないうちの1つである。
財政悪化に歯止めを
H.I.S.は、マカオに大打撃を与えたパンデミックの影響で、2021年11月から2022年4月までに296億円(1億9400万ドル)の損失を計上した。その結果、これ以上の落ち込みを防ぐために絶望的な状況に陥っており、ハウステンボスの売却が最良の選択肢となる可能性がある。
旅行会社は、テーマパークを運営する会社の株式の3分の2を保有している。その株式と引き換えに「数百億円」を受け取ることを希望している。具体的な金額は明らかにしなかったが、200億円は1億4526万米ドルに相当する。
ハウステンボスの企業価値・株式価値を向上させるため、株式譲渡など様々なプランを検討している。しかし、現時点では具体的な決定はしていない」とH.I.S.は声明を発表した。
同社は、本気のオファーがあるかどうかは明言しなかった。しかし、新IRの隣でテーマパークを運営する見込みは、多くの関心を集めるはずだ。少なくとも、香港の投資会社が1社、候補に挙がっているという。
H.I.S.のほか、九州電力、九州旅客鉄道などの少数株主も株式を売却する予定だ。なお、ハウステンボスの経営が変わった場合でも、H.I.S.は新オーナーのもとでテーマパークとしての運営を継続するとしている。
H.I.S.が計上した第2四半期累計の損失は過去最大となりました。そのため、テーマパークを売却するだけでなく、業績が低迷している他の付帯事業も切り離すことになった。これには、電力小売りの子会社であるHTBエナジー株式会社の売却も含まれています。
ハウステンボス、好調維持
投資家は「安く買って高く売る」ことを心得ているが、ハウステンボスは現在、その状態にある。H.I.S.は赤字を克服しようとしているが、テーマパークを運営する会社は強い。2021年10月から2022年3月まで、3億円(218万米ドル)の営業利益を計上した。前年同期は2億円(145万ドル)の赤字だった。
ハウステンボスは、30年前に開業し、敷地面積は375エーカー(約3,000坪)。開園4年目の1996年には年間入場者数が380万人に達した。しかし、その7年後、予想外の急減に見舞われ、破産を申請した。
2010年、H.I.S.がこの施設を購入。日本最大のテーマパークとして再建を進め、軌道に乗せることができた。しかし、その矢先に「コビド19」の大流行が起こり、再び苦境に立たされることになった。
日本は、安倍晋三元首相が暗殺され、まだ喪に服している。しかし、国のIR導入計画は続いている。政府は今秋にも、長崎と大阪の計画、あるいはどちらか一方を承認する可能性がある。
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